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消化器外科

肝胆膵グループ

木下壽文

教授

センター概要

外科学肝胆膵グループは、肝胆膵外科高度技能指導医の6名を含め、後述のスタッフで研修医の指導、日常診療を行っています。 肝切除症例には3D-CT imageを取り入れて多方向からの検討を行い、肝予備能に合わせた治療(系統的切除、RFAなど)を選択します。そして、積極的な腹腔鏡下肝切除術を行っています。下大静脈・心房内腫瘍栓を伴う様な高度進行肝癌に対しても、十分な検討を行い、積極的に肝切除を行っています。平成22年より生体肝移植を始め、教室をあげて連携を取りながら取り組んでいます。

膵頭部領域の悪性疾患には、膵頭十二指腸切除術に加え術前・術後補助療法(化学療法・放射線療法)を行うことで、生存期間の延長、長期生存を目指しています。
その他の腹腔鏡を用いた手術では、胆嚢摘出術や門脈圧亢進症に対する脾臓摘出術を行っています。腹腔鏡下手術のトレーニングシステムを導入し、研修医や若手医師の腹腔鏡手術トレーニングを行い、日々の技術向上を行っている。 また、消化器内科、放射線科、病理の専門スタッフとも定期的に症例検討を行っています。研究室部門は、大学院生および外科臨床研修終了後の専修医が中心となって、検査部門(腹部超音波検査、胆膵内視鏡検査、経皮経肝胆道ドレナージなど)を担当しながら、臨床に関連した研究を行っています。


手術実績

外科学肝胆膵グループは、肝胆膵外科高度技能指導医の6名を含め、後述のスタッフで若手外科医・研修医の指導、日常診療を行っています。
2006年以降の胆道・膵疾患症例数

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2006年以降の胆道・膵疾患手術別症例数

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当科での最近10年間の症例を示します。胆道(胆管と胆嚢と十二指腸乳頭部)癌は年間20例ほど当科で治療しています。膵腫瘍(膵臓癌とIPMN膵管内乳頭粘液産生腫瘍と膵臓の良性腫瘍)は年間20~30例ほどでしたが、2014年度は40例・2015年度は60例と増加してきています。
手術数も年間30例前後であったのですが、昨年度は年間60例(膵頭十二指腸切除術が40例、膵体尾部切除も20例)と増加してきました。
膵臓癌に対し術前に化学放射線量を取り入れてきました。近年では定型化してきており年間10例以上行っています。 
膵臓癌術前化学放射線療法(NACRT)

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胆道・膵疾患における、
再開腹や出血の合併症と在院死亡

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2006年以降の疾患別生存率

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当科での重篤な術後合併症です。症例数が増え再開腹や出血に対する緊急血管造影を行う割合は3.5%でした。また、在院死亡は0.5%であり、学会や他施設研究での発表に引けを取らない数字となっています。



膵癌(早期診断が難しく、予後が悪い疾患です。手術前に抗がん剤や放射線治療を併用する機会が増えてきました。)における全年度での5年生存率25.6%です。膵管の内腔から癌が発生し、動脈や門脈、胆管、十二指腸に浸潤していきます。進行度合いやリンパ節転移でStageが決まっています。最近10年間では、StageⅠは腫瘍径が2cm以下で周囲に浸潤が無くリンパ節転移がない状態です。術後の5年生存率は約80%です。 StageⅡは腫瘍径が2cm以上で周囲に浸潤が無いものや、近傍のリンパ節転移がある状態です。5年生存率は約50%です。StageⅢは大きな血管以外の近接する臓器に浸潤していたり、リンパ節転移がある状態です。 5年生存率は約30%です。 StageⅣaは近接する大きな血管に浸潤しているが切除可能であったり、リンパ節転移がある状態です。 5年生存率は数%です。 StageⅣbは遠隔転移状態です。
図左は1965年から2015年までの膵癌のステージ別生存曲線です。5年生存率はStageⅠ:74.1%(最近10年では74.4%), StageⅡ:57.4%(最近10年では45.6%), StageⅢ:28.4%(最近10年では33.1%), StageⅣA:3.8 %(最近10年では5.7%), StageⅣB:0%(最近10年では0%)です。
図右は術前StageⅣaで術前化学放射線量を施行した全症例(手術不能例も含みます)の5年生存率は47.8%です。術前画像での評価なので、進行が進んでいない物も含んでいると思いますが良好な結果と考えています。術前治療中に癌が進行し手術ができなくなってしまったり、術後に重篤な合併症が発生することもありますが、治療効果が期待できると考えています。
膵癌 当科全年度

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膵癌 当科全年度
術前StageⅣaで術前化学放射線量を施行した症例の生存率

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遠位胆管癌(肝臓で作られる胆汁を腸に流す管です、途中で胆嚢とつながっています。胆嚢とつながる部位から十二指腸乳頭部までを遠位胆管と言います。)における最近(2006年以降)の5年生存率は47.8%です。胆管の内腔から癌が発生し、十二指腸壁や胆管・膵臓に浸潤していきます。進行度合いやリンパ節転移でStageが決まっています。
最近では、StageⅠAは胆管壁内にとどまり、リンパ節転移がない状態です。5年生存率は約90%です。StageⅠBは胆管壁は超えていますが周囲組織に浸潤が無く、リンパ節転移がない状態です。手術方法や抗がん剤使用により5年生存率は約90%です。StageⅡA大きな血管以外の近接する臓器に浸潤していますが、リンパ節転移がない状態です。5年生存率は約50%です。StageⅡBは深達度に関係なくリンパ節転移がある状態です。5年生存率は約40%です。StageⅢは大きな動脈浸潤で当科では手術不能としています。StageⅣは遠隔転移状態です。
図右は1965年から2015年までの遠位胆管癌のステージ別生存曲線です。左は最近の生存率です。5年生存率はStageⅠ:77.4%(最近は88.9%), StageⅠB:53.3%(最近は95.7%), StageⅡA:28.6%(最近は45.7%), StageⅡB:18.5%(最近は38.6%), StageⅣ:0%(最近は0%)です。全体的に生存率は良くなっていると考えています。
遠位胆管癌 当科全年度

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最近の生存率

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肝門部胆管癌(肝臓で作られる胆汁を腸に流す管です、途中で胆嚢とつながっています。肝臓の内部の枝別れする部位から肝外に出て胆嚢とつながる部位までを肝門部領域胆管と言います。)における全年度での5年生存率27.8%です。胆管の内腔から癌が発生し、肝臓、肝臓にはいる動脈や門脈、残す肝臓側の胆管、胆嚢、膵臓に浸潤していきます。進行度合いやリンパ節転移でstageが決まっています。
最近10年間では、StageⅠAは胆管壁内にとどまり、リンパ節転移がない状態です。5年生存率は6割です。 StageⅡは胆管壁周囲を超えているが、血管に浸潤がなく、リンパ節転移がない状態です。5年生存率は4割です。 StageⅢAは近接する動脈門脈に浸潤していますが、リンパ節転移がない状態です。症例が少なく検討は難しかったです。 StageⅢBは深達度に関係なくリンパ節転移がある状態です。 5年生存率は1割です。StageⅣAは残す肝臓の胆管や血管に浸潤している状態です。 5年生存率は1割です。StageⅣBは遠隔転移状態です。
図は1965年から2015年までの遠位胆管癌のステージ別生存曲線です。5年生存率はStageⅠ:70.1%(最近10年では60.0%), StageⅠB:32.7%(最近10年では39.8%), StageⅡA:9.2%(症例が少ないのですが最近10年では50.0%), StageⅡB:18.5%(最近10年では38.6%), StageⅣ:3.1%(症例が少ないのですが最近10年では25.0%)です。
肝門部領域胆管癌 当科全年度

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胆嚢癌における全年度での5年生存率(術後5年たって生きている割合)44.0%です。胆嚢壁の内側から癌が発生し、奥に進行していきます。進行度合いやリンパ節転移でStageが決まっています。
最近10年間では、StageⅠは粘膜近傍にのみ存在し、リンパ節がない状態です。5年生存率は約80%です。StageⅡは胆嚢壁を超えて無く、リンパ節転移がない状態です。手術方法や抗がん剤使用により5年生存率は約80%です。StageⅢAは胆嚢壁を癌が超え多臓器浸潤していますが、リンパ節転移がない状態です。5年生存率は約40%です。StageⅢBは深達度に関係なくリンパ節転移がある状態です。5年生存率は約20%です。StageⅣAは2個以上に周囲臓器に浸潤している状態です。StageⅣBは遠隔転移状態です。
図は1965年から2015年までの胆嚢癌ステージ別生存曲線です。5年生存率はStageⅠ:82.8%(最近10年では80%), StageⅡ:61.8%(最近10年では81.5%), StageⅢA:29.5%(最近10年では44.2%), StageⅢB:17.1%(最近10年では16.2%), StageⅣB:2.9%(最近10年では0%)です。
胆嚢癌 当科全年度

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十二指腸乳頭部癌(胃の先が十二指腸です、その途中に膵液と胆汁が分泌される乳頭と呼ばれる部位があります。そこに癌ができると黄疸や膵炎が起きます)における全年度での5年生存率70%です。乳頭から癌が発生し、十二指腸壁や胆管・膵臓に浸潤していきます。進行度合いやリンパ節転移でstageが決まっています。
最近10年間では、stageⅠAは乳頭内のみに存在し、リンパ節転移が無い状態です。5年生存率は約100%です。 StageⅠBは十二指腸に浸潤し、リンパ節転移が無い状態です。手術方法や抗がん剤使用により5年生存率は約80%です。 StageⅡAは膵臓に浸潤し、リンパ節転移が無い状態です。 5年生存率は約70%ほどです。 StageⅡBは深達度に関係なくリンパ節転移がある状態です。 5年生存率は約40%です。StageⅢは膵臓を超えて周囲に浸潤している状態です。症例数が少なく評価は困難でした。StageⅣは遠隔転移状態です。
図は1965年から2015年までの十二指腸乳頭部癌のステージ別生存曲線です。5年生存率はStageⅠ:82.6%(最近10年では100%), StageⅠB:56.8%(最近10年では83.3%), StageⅡA:43.6%(最近10年では75.0%), StageⅡB:34.4%(最近10年では38.6%), StageⅣ:0%(最近10年では0%)です。
十二指腸乳頭部癌 当科全年度

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その他の腹腔鏡を用いた手術では、胆嚢摘出術や門脈圧亢進症に対する脾臓摘出術を行っています。腹腔鏡下手術のトレーニングシステムを導入し、研修医や若手医師の腹腔鏡手術トレーニングを行い、日々の技術向上を行っている。

また、消化器内科、放射線科、病理の専門スタッフとも定期的に症例検討を行っています。研究室部門は、大学院生および外科臨床研修終了後の専修医が中心となって、検査部門(腹部超音波検査、胆膵内視鏡検査、経皮経肝胆道ドレナージなど)を担当しながら、臨床に関連した研究を行っています。

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